『孫への伝言』編集部の藤城 徹です。

今回の「昭和史コラム」で取り上げますのは「乾燥サンドイッチ」です。

昭和11年(1936)に川島四郎三等主計正と佐野昇次郎陸軍技手によって発明、陸軍を経由して特許出願がなされ、これを得ています。
川島四郎はこの後、軍用糧食の研究で農学博士号を取得、主計少将にまで昇進しました。戦後も栄養学者として『実兵50人を以てせる軍用糧食の栄養,人体実験の研究』をはじめ、多くの書籍を上梓しています。

この「乾燥サンドイッチ」は恐らく、航空技術研究所員兼糧秣本廠員であった頃に発明されたものでしょう。その製法は調味乾燥させた肉をローラーにて圧縮、これをパンに挟んだものを更に乾燥させるというごくシンプルなものです。
ただ、サンドイッチを普段からお作りになる方はお気づきかも知れませんが、これではサンドイッチが直ぐにバラバラになってしまいます。私もサンドイッチが好きなものでよく作るのですが、その時には辛子を混ぜ込んだバターであるとか、マヨネーズやケチャップなどを糊代わりと致します。

ここに川島四郎らの工夫がありました。
挟み込むパンの表面に食用ゼラチンを塗布して、乾燥肉を挟み込むことにしたのです、これで肉が滑り落ちる事はありません。更に圧を加えて一体となします。この一連の製法が特許となりました。
ただ、残念なことに私が調べた限り、この「乾燥サンドイッチ」が実際に用いられたという話を見出すことは出来ませんでした。確かに、これを食べると口の中の水分が全部持っていかれそうな気がしますし、食味の点でも改善の余地が多く残るようにも思われますので、致し方ないのかも知れません。